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決算賞与を支給する場合の注意すべきポイントをひとまとめ。

投稿:2016.05.06  更新日:2021.08.17

はじめに

こんにちは!

東京都新宿区西新宿の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部です。

今回は従業員のモチベーションアップと節税を同時に実現できる決算賞与について解説します。

決算賞与とは・・・

決算が近づいて当期の試算表をみると予想以上に利益が上がりそうだというときに、

その期の利益を従業員に還元するポピュラーな方法です。

従業員のモチベーションアップと同時に会社の利益額も圧縮できるというメリットがあります。

税務上賞与についても毎月の給与と同様に損金に算入することができます。

しかし、決算賞与については通常の賞与の時期ではなく決算月前後となるため、

資金繰りの観点から支払いが翌期になるケースもあります。

法人税法では原則として賞与は支払った期に損金算入されますが、一定の要件を満たすことにより、

『(貸方) 賞与 / (借方) 未払金

として未払経理した場合でも賞与の額を損金に算入することができます。

決算賞与は利益調整に繋がりやすいことから損金算入のルールは厳格に定められています。

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損金算入の要件

支給額を支給する全従業員に通知していること

決算日までに実際に支給するボーナスの金額を決めておかなければなりません。

後々の証拠作りとして決定した賞与額は口頭ではなく賞与支払明細書のような書面で通知するようにしましょう。

決算後1カ月以内に通知した金額を支給すること

決算において未払金勘定に計上した金額を1カ月以内に支給することが求められます。

1日でも過ぎてしまうと認められませんのでご注意ください。

当期に未払い経理していること

支給する従業員に通知した金額を先ほどの仕訳の通り損金経理します。

PPH_karahurunakureyon_TP_V

 

注意点について・・・

モチベーションと資金繰り

賞与は従業員のモチベーションアップに繋がる効果がありますが、

一方会社からはキャッシュが流れてしまうことになります。

賞与金額は過去の賞与額などを踏まえた適正額を支給することで、

従業員が過度の期待をもたないようにすることが大切です。

過去の額に比べて低い額となるとモチベーションダウンに繋がり本末転倒になりかねません。

また、賞与には毎月のと同様に社会保険料の納付義務が生じます。

社会保険料は従業員と会社の折半となるため、純粋な賞与額だけではなく、

社会保険料の支出も踏まえた資金管理が必要となります。

毎月の帳簿付けを行ってお金をしっかり管理した上での支給が必要です。

役員に対する賞与

税法において役員に対する賞与は原則として損金に算入することはできず、

毎月決められた一定額の報酬のみが損金算入の対象となります。

しかし、法人税法上の使用人兼務役員に該当する役員については賞与の支給が可能となります。

使用人兼務役員の定義についてはここでは省略しますが、

『使用人としての地位を有する一定の役員』が使用人兼務役員に該当します。

使用人としての地位にあるということは就業規則に従って会社より勤怠の管理などがされることになるので、

部分的に他の従業員と同様の性質をもつ役員であり、

賞与額が同等の地位の使用人に対して支給された額と同程度であれば損金の額に算入されることが認められます。

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おわりに

最後までお読みくださりありがとうございます。

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東京都新宿区西新宿の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部でした。

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