平成28年度税制改正ひとまとめ(法人税など編)。

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平成28年度税制改正ひとまとめ(法人税など編)。

日付:2016年04月28日
カテゴリー:税務ノウハウ,経営実務

はじめに

こんにちは!

東京都港区の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部です。

今回は、平成28年度の税制改正について重要なところをピックアップして解説したいと思います。

改正内容

今年の3月29日に法案が成立し、平成28年度税制改正の内容が明らかになりました。

目玉はやはり生活にストレートに影響を及ぼす消費税増税と軽減税率の導入です。

いずれも来年4月より施行予定となっており与党の中でも相当の議論があったようですが、現場レベルの実務についてはまだ整理がされていない部分があると感じます。

消費税だけでなくもちろん他の税目についても重要な改正がなされており、その中でも主なところを見ていきます。

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法人税率の引下げと実効税率が20%台へ

平成28年4月1日以降に開始する事業年度より法人税率が以前の23.9%から23.4%へと改正され、これに伴い法人実効税率が32.11%から29.97%と20%台へと引き下げられました。

法人実効税率とは、法人の所得に対して課される国税及び地方税を合わせた実質的な税金負担率のことを指します。

昨年の平成27年度改正の段階では平成29年度以降に20%台へ引き下げる予定だったので、1年前倒しの引き下げです。

背景としては、来年4月からの消費税10%適用のためにある程度の給与水準の上昇が求められることから、税金コストを下げた分人件費を増加させる流れを促す目的があると考えられます。

そもそも企業はある程度収益力がないと利益を人件費に回せないため、昨年から続く大きな流れとしての「収益力向上に向けての政策」が継続していることが見受けられます。

外形標準課税の税率の変更

税率が下がるとそれに伴って財源も減少します。平成28年度の改正では実効税率が20%台に引き下げられたこともあり、国の財政事情としてはどこかで補填する必要が生じます。その補填部分の一つとして外形標準課税の増税が挙げられます。

外形標準課税は法人事業税の一部を構成しており、資本金1億円超の法人を対象としています。「付加価値割」と「資本割」から成り、主にその法人の付加価値や規模を課税の対象としていますが、いずれも税率は引き下げられています。

一方、法人事業税を構成するものとして収益力を課税対象とする「所得割」がありますが、今回の改正のベースである収益力向上の観点からこちらは反対に税率は引き下げられています。つまり、規模が大きくて赤字が続いている法人については税負担の増加が見込まれるため注意が必要です。


減価償却方法の見直し

平成28年4月1日以後に取得をした建物付属設備(建物内部の電気配線など)と構築物(塀やアスファルト舗装)については償却方法を「定額法」へ一本化、同じく鉱業用減価償却資産については「定額法」または「生産高比例法」に限定されました。

定額法は取得価額を将来にわたって均等に費用化していく方法であり、定率法は取得当初に多額の減価償却費を計上しその後年々減少させていく方法です。こちらも収益力の増加を踏まえての改正かと思われます。


繰越欠損金の利用制限の段階的見直し

財源確保のための見直しになります。青色申告法人は、前年度以前に生じた赤字(欠損金)を将来の黒字と相殺できるという特典が認められており、現行では9年間赤字を繰り越すことができます。

平成27年度改正においては平成29年4月1日から現行の9年間を1年延ばし10年間繰り越せることとしていましたが、今回の改正において平成30年4月1日からと施行が延長される形となりました。

また、資本金1億円を超える法人にあっては所得と相殺できる欠損金の控除限度額を、平成28年度から1年ごとに60%→55%→50%と段階的に引き下げるとされています。

企業版ふるさと納税の創設

様々な地方の特産物を受け取ることができるいわゆる「ふるさと納税」は所得税における寄附金控除を指します。平成28年度改正においては「企業版ふるさと納税」として法人が支出した場合についても一定の優遇措置が設けられることとなりました。

ただし、個人のふるさと納税がどの自治体を選んでも構わないのに対して、企業版は本店のある自治体に寄付しても優遇が受けられないことや、その自治体自体が地方創生の推進事業で国から認定されている必要があるなど条件が厳しくなります。

それでも要件を満たせば支出額の約3割の税額控除を受けることができるため、所得が生じる見込みのある法人は一考の価値があるといえます。

詳しい適用要件などの詳細は今後発表とのことなので気になるところです。

機械装置取得の場合の固定資産税の軽減措置

資本金が1億円以下の法人が一定の機械装置を取得した場合、機械装置について課せられる固定資産税を軽減する制度の創設予定されております。予定というのは、中小企業経営強化法という法律の制定が前提条件とされているためです。

一定の機械装置は「1台160万円以上で年1%以上の生産性向上が見込まれ、かつ販売開始から10年以内のもの」の要件を満たしたものであり、取得後最初の3年間は課税標準が1/2とされます。

その他

上記の他にも先端設備を導入した企業に対しての優遇措置の廃止や少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に従業員数1,000人以下の要件が設けられたことなど、課税ベースの拡大のための改正が行われております。


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従来からの「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考え方、すなわち稼ぐ力のある会社の税負担を減らして収益力の拡大を図り、設備投資や賃上げを促すという流れは平成28年度改正においても継続していると考えられます。

中小企業への影響が大きいところの1つとして、建物付属設備と構築物の償却方法の定額法一本化が挙げられます。耐用年数全体でみると全体償却額は定率法も定額法も変わりはありませんが、差が出るところは取得初年度の償却費計上額です。定率法に比べ定額法の初年度償却費は少ないため、設備投資を行う際は計上できる償却費を踏まえて検討を行うことが大切となります。

おわりに

最後までお読みくださりありがとうございます。

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東京都港区の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部でした。