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システムエンジニアのための節税入門

投稿:2025.07.10  更新日:2025.05.29

こんにちは。税理士の阿部です。

リモートワークの普及やフリーランス市場の拡大により、個人事業主として活動するシステムエンジニア(SE)の方が急増しています。
一方で、「税金が思ったより高い」「節税ってどうやるの?」という悩みもよく伺います。

この記事では、システムエンジニアの方が実践できる代表的な節税策とその注意点をご紹介します。


■ 基本のキホン:節税と脱税の違い

まず前提として、節税=合法的な税負担の軽減です。
一方、脱税はルール無視で、最悪の場合は罰則・刑事事件にもなりかねません。

節税は、あくまでルールの範囲内で行いましょう。


■ 代表的な節税策①:青色申告特別控除の活用

青色申告を行うと、最大65万円の特別控除が受けられます。
そのためには、次の条件を満たす必要があります:

  • 複式簿記による帳簿作成

  • 期日までに青色申告承認申請書の提出

  • 確定申告書に損益計算書・貸借対照表を添付

「複式簿記って難しそう…」と構える方もいますが、クラウド会計ソフトを使えば意外と手軽です。

※エンジニアに例えるなら、Excel家計簿は”Hello World”、複式簿記はGit+フレームワークくらいの感覚です。


■ 代表的な節税策②:経費計上の徹底

事業に関係ある支出は、きちんと経費にしましょう。システムエンジニアの場合、以下のようなものが経費になり得ます:

経費の種類 具体例
消耗品費 キーボード、マウス、モニター台など
通信費 ネット回線、クラウドサービス利用料
水道光熱費 自宅兼事務所の按分(事業割合)
交際費 顧客との打ち合わせ時の飲食代
地代家賃 自宅の一部を事務所として利用する場合の按分
研修費 技術講座、セミナー、資格取得費用

ただし“息抜きで観たNetflix代”は、仕事に関係していない限りNGです。


■ 代表的な節税策③:小規模企業共済への加入

将来の備えとして、小規模企業共済への加入はおすすめです。
掛金は月1,000円〜7万円まで選択可能で、全額が所得控除の対象になります。

さらに、退職時や廃業時には共済金を受け取れ、退職金のような性格を持ちます。
節税と将来への備えを同時に実現できるため、安定志向のフリーランスSEには最適です。


■ 代表的な節税策④:iDeCoやふるさと納税の活用

iDeCo(個人型確定拠出年金)も全額所得控除になります。老後資金の形成と節税が同時にできる制度です。

また、ふるさと納税も、実質2,000円の自己負担で各地の特産品を受け取りながら、税額控除が可能です。
税務的にも栄養的にも“美味しい”制度ですが、確定申告の入力を忘れてしまうと“ただの高い買い物”になるので要注意。


■ 注意点①:按分処理の精度

自宅を事務所として使用している場合、家賃・光熱費・通信費などの“事業利用分”を按分して経費にできます。
その際は合理的な基準(使用面積や使用時間など)を設定しましょう。


■ 注意点②:帳簿と領収書の整備

節税を実現するには、日々の記帳と領収書の管理が重要です。

  • クラウド会計ソフトの活用

  • 領収書の電子保存(スキャン・PDF化)

  • 銀行口座・クレカは事業用と私用で分ける


■ まとめ|節税も“ロジックと検証”が命

個人事業主として活動するシステムエンジニアの方は、節税の工夫によって手元に残るお金が大きく変わります。

一方で、「経費に入るだろう」で済ませてしまうと、後々リスクが発生する可能性もあります。

  • 青色申告

  • 経費の見直し

  • 共済制度や控除の活用

  • 記帳体制の整備

これらを適切に行うことで、税金に追われるフリーランス生活から、数字も安定したキャリアへとステップアップできます。

当事務所では、SE・IT系フリーランス向けの節税相談・記帳支援・確定申告までトータルでサポートしています。
帳簿もチェックいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

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