修繕費と資本的支出の境界線についてのひとまとめ

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修繕費と資本的支出の境界線についてのひとまとめ

日付:2016年05月09日
カテゴリー:税務ノウハウ,節税対策

はじめに

こんにちは!

東京都港区の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部です。

今回は、判断に迷うことの多い「修繕費」と「資本的支出」のポイントについて解説します。

「修繕費」と「資本的支出」とは・・・

修繕費とは、建物や器具備品が故障した場合、

その資産価値の維持を図るための原状回復費を指します。

事務所の補修費やパソコンの復旧費などがこれに該当し、

法人税法上支出した事業年度の損金の額に算入されます。

一方資産に計上すべき支出は資本的支出と呼ばれ、支出した事業年度の損金に計上できず、

資産に計上して何年かで減価償却していくことになります。

資本的支出のイメージとしては「資産の価値を高めたり、使用できる期間を延ばす」ための支出ということです。

建物の増築、避難階段の取付け、用途変更のための模様替え、

高性能の部品への取替えは原則的に資本的支出に該当します。

修繕費と資本的支出の区分は請求書に記載された修理や改良などの名目ではなく、

実質的にどちらに該当するかで判断していくことになります。

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修繕費の要件と形式的基準

修理費として認められる場合と、資本的支出に該当する場合でそれぞれ税務上の処理は異なります。

修繕費として費用計上が認められるのは以下のような支出になります。

☆保守・管理目的として定期的に支出する費用

☆故障や破損した部分を以前の状態に戻すための費用(原状回復)

☆おおむね3年周期の間隔で支出される費用

ただ、修理する資産の種類や修理箇所によっては、

それが原状回復なのかおおむね3年周期でしなければならないのか判断に迷うケースも多々あります。

また、一時に複数の部分について修繕をしたり、

一つの修繕箇所でいくつかの部品を取り替えたりしたときは請求書を見ても分からないという場合もあります。

そこで、税務では修繕にいくらかかったかという金額をもとにした形式的な基準が定められており、

どちらになるか不明な支出についてはこの基準で判断していくことになります。

形式的基準によると以下のケースについては支出時に損金計上することが可能です。

★支出した額が20万円未満である場合

★修繕費か資本的支出か区分不明で支出した額が60万円未満である場合

★修繕費か資本的支出か区分不明で支出額が60万円を超えていても、支出額が資産の取得価額の1割以下の場合

形式的基準では、1回の支出額がそれほど多くない場合は問題なく修繕費として認め、

その資産の取得費用に比べて小規模な支出であった場合は、

区分不明を条件として修繕費としての損金算入を認めています。

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おわりに

修理や改良を考えるときは、税務の観点からは1回の支出が20万円未満に抑えることができると、

費用として損金算入が可能となるので有利と言えます。

パソコンなどで機能性向上のため数万円ほど支出した場合であれば、修繕費計上が可能ということです。

「いっそ修理するのであれば現状よりも耐久性の高いものにしよう」と考えて必要以上に改良すると、

修繕費として損金算入できず、資本的支出に該当するため一度に損金算入できないので注意が必要です。

また、修理前の状況を写真などで保管しておくと、

税務調査の際に請求書などと併せて証拠資料として活用することができるので、説明に手間をかけずに済みます。

事業継続のため重要な資産であったり安全を図るための支出である場合は別にしても、

修理や改良は上記の要件や当期の業績を踏まえて適正なタイミングで行うことが大切です。

最後までお読みくださりありがとうございます。

税金や会計でお困りのことがございましたらお問合せフォームをご利用ください。

東京都港区の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部でした!

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