少額の減価償却資産を購入した場合についてひとまとめ

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少額の減価償却資産を購入した場合についてひとまとめ

日付:2016年05月06日
カテゴリー:税務ノウハウ,節税対策,経営実務

はじめに

こんにちは!

東京都港区の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部です。

今回は、ポピュラーな節税方法の一つ、少額減価償却資産について解説したいと思います。

10万円未満の減価償却資産を取得した場合

法人税法では以下のいずれかに該当する資産を購入して事業に使用した場合は、

その取得価額全額について損金に算入することを認めています。

・使用可能期間が1年未満であること

・取得価額が10万円未満であること

該当する資産は数多くありますが、文房具などの事務用品、印鑑、伝票、ソフトウェアなどが挙げられます。

反対に10万円以上の高額な資産については購入時に経費化できないということです。

何年かにわたって少しずつ分割して経費計上していかなければなりません。

その金額の判断基準がこの10万円ということです。

例えばパソコン90,000円を購入した場合の経理処理は、消耗品費勘定を使って費用計上します。

パソコンのような器具備品のような場合も費用計上する際は消耗品費勘定を使っていきます。

消耗品費として費用計上した金額はそのまま損金算入されますので税務上も特別な処理は生じません。

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30万円未満の減価償却資産を取得した場合

青色申告を選択している中小企業(資本金1億円以下)の場合は、

さらに特例が設けられており30万円未満までの資産について1回で損金算入することができます。

ただし、同年度内で取得価額の合計額が300万円までの決まりがあり、

法人税の申告書に明細書を添付の手続きが必要となってきます。

また、平成28年度税制改正により平成28年4月1日より従業員数が1,000人を超える法人は適用除外とされたので新たに注意が必要です。

また一定の資産については1月に申告する償却資産税の対象となるため、

購入時に費用計上した後にも償却資産税の申告書に記載をすることを忘れないようにしましょう。

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10万円以上20万円未満の減価償却資産を取得した場合

取得価額が10万円以上20万円未満の資産を取得した場合には、

一括償却資産としてその資産の取得価額の合計額を耐用年数に関わらず一律3年間で償却することが認められています。

月割計算もしません。

例えば取得価額18万円の資産を購入したときは将来3年に渡って6万円ずつ償却していくことになります。

ほとんどの資産の耐用年数は3年を超えることから、早期に償却費を計上できるところにメリットがあります。

しかし、取得した年度にこの方法を選択すると3年以内にその資産を除却したり廃棄したとしても除却損を計上することはできず、

当初の通り3年間均等に償却費を計上していかなければなりません。

また、一括償却資産を選択すると償却資産税は課税対象外となるため節税のメリットがあります。

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注意点について

1セット単位で金額判定

取得価額10万円未満と30万円未満の基準は1セットもしくは1組単位でされるというところです。

例えば部屋に設置する応接セットを考えると、机とイスは通常1組セットで使用するのが一般的です。

販売店などでも1セットで売られていることが多いです。

この場合、机とイスの合計額が30万円額以上であると購入時に損金算入できないこととなります。

消費税は含めるかどうか

例として、302,400円(税込)の資産を買うとします。

税抜きで280,000円ですので、税込だと30万円以上、税抜でみると30万円未満となります。

この場合、会社が採用している消費税の経理処理方法に注意する必要があります。

税抜処理、すなわち仮払消費税勘定を用いているときは280,000円で判断するため30万円未満となり、

1回の損金算入が可能です。

一方、税込経理している場合は通常の減価償却の方法によることになります。

実際に資産を使っていること

法人税法では「事業の用に供する」との文言があり、特例の適用を受けるためには実際に事業用で使わなければなりません。

ただ単に節税対策として購入した後に箱に入ったまま置いておくのではなく、

決算日までに開封して使用することが要件として求められています。

共有資産である場合

購入した資産を他社と共同で使用するなど複数社との共有となるときの判定基準は、

その資産を使用する割合など取得価額を合理的な比率で按分した額をもって判断します。

例えば取得価額598,000円(税抜)の資産を2社で共有(割合1/2)とした場合、

1社ごとの取得価額は299,000円となり30万円未満の特例を選択できることができます。

通常の減価償却方法の選択

上記の10万円未満基準又は30万円未満基準に該当した場合、

必ずしも購入時に経費計上しなければならないということはありません。

通常の減価償却資産として資産の耐用年数に渡って償却していくことも選択できます。

そのため、当期の業績が芳しくないなどというときは、

敢えて決算書の減価償却費を抑えるために特例を適用しないという選択肢もあります。

黒字の必要がある場合には固定資産へ計上、

税金を抑える必要がある場合には特例適用を選択して購入した年に損金算入することが可能です。

通常の減価償却か特例適用かは購入した資産ごとに選択が可能ですので、

決算月が近づいて当期の業績や税金の対策をしようとする際には検討したい項目です。

ただし、その年度に一度選択した方法を将来の期に変更することは認められませんのでご注意ください。

償却資産税との関係

10万円以上20万円未満の資産につき一括償却資産を選択した場合には償却資産税は課税されません。

一方、30万円未満の資産を損金算入した場合は課税されることになります。

償却資産税の税率は1.4%であるため3年間で4.2%(厳密には償却後の金額に乗じますが・・・)となりますので、

30万円未満の特例を適用した場合は償却資産税の税額も含めての検討が必要です。

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おわりに

最後までお読みくださりありがとうございます。

税金や会計でお困りのことがございましたらお問合せフォームをご利用ください。

東京都港区の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部でした。