税理士ブログ

YouTuberの確定申告｜税務署は高評価ボタンを押してくれません

こんにちは。税理士の阿部です。

最近では、小学生の「将来なりたい職業」ランキングで上位に入るほど人気の職業、それが「YouTuber」。
副業や本業でYouTube活動をして収益を得ている方も増え、動画投稿から確定申告という現実へ…という流れもすっかり一般的になってきました。

本記事では、YouTuberの方が行うべき確定申告の基本と注意点を解説します。

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■ YouTuberでも申告が必要な人とは？

YouTubeの収益が年間20万円（副業）または48万円（本業）を超える場合、原則として確定申告が必要です。

・副業でYouTubeをしている場合：

→ 給与所得がある方は、YouTubeでの所得が年間20万円を超えると申告義務あり。

・本業でYouTubeをしている場合：

→ 原則として、年間48万円を超える所得があれば確定申告が必要。

なお、「収益化はまだしてないけど、スパチャでお米20kgもらいました」などの場合も、現物支給＝所得になるケースもあるので注意が必要です。

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■ 所得の種類と申告方法

YouTuberの収入は、通常「雑所得」または「事業所得」として申告されます。

• 雑所得：副業として行っている人、収入が少額・不定期な場合

• 事業所得：継続的・組織的に行っていて、一定の収入規模がある場合

事業所得と認められると、青色申告特別控除（最大65万円）や赤字の繰越控除など、税務上のメリットが大きくなります。

ただし、動画の本数が年に1本、収益が月に2円といったケースでは、事業とは認められにくいかもしれません。

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■ 必要な帳簿と記録

YouTuberも事業者と同じように、収入・支出の帳簿を整える義務があります。
Google AdSenseや企業案件、グッズ販売など、多様な収益源を正確に記録する必要があります。

【主な収入の例】

• Google AdSense（広告収入）

• スーパーチャット（いわゆる“投げ銭”）

• 企業案件（PR、レビュー依頼など）

• オンラインサロン・有料配信・メンバーシップ収入

• グッズや電子書籍の売上

【主な経費の例】

• 撮影用のカメラ・マイク・照明・三脚

• 編集ソフト・ストレージ・パソコン関連

• サムネイル作成のデザイン費

• 外注費（編集依頼など）

• 撮影のための交通費・レンタルスペース利用料

「変顔練習用鏡台」や「リアクション強化のためのわさび100本」などは、用途が説明できれば認められる可能性も…。
でも本気で申告するなら、領収書と説明が命です。税務署は書類には非常に真面目です。

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■ 注意点①：プライベートとの区分

事業用と私用の支出は、明確に区別する必要があります。
パソコンやスマートフォンなど、兼用しているものは按分（あんぶん）処理が必要です。たとえば、

• 使用時間の割合

• 使用目的の割合（例：動画編集6割、私用4割）

など、合理的な基準を元に経費化の割合を決めましょう。

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■ 注意点②：収益のタイミングと通貨

YouTubeの収益は、Googleからドル建てで振り込まれるケースもあります。
この場合、円換算のレートをどう記録するか（受取日か発生日か）など、細かな論点が発生します。

特に仮想通貨や海外の広告代理店からの報酬など、複雑な受取ルートがある場合は、税理士と相談のうえ処理方針を明確にしておくことが大切です。

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■ 税務署は「見てる」かも？

近年、SNSやYouTube上の「公開情報」を税務署が参考にすることも増えています。
あからさまに「これ儲かってますよ〜」という内容があれば、申告内容との整合性がチェックされる可能性もあります。

税務調査の対象になったときに慌てないよう、「公開情報」と「帳簿の中身」に矛盾がないか確認しておきましょう。

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■ まとめ

YouTubeで収入を得るようになったら、それは立派な「所得」であり、確定申告が必要になるケースも多くあります。
正しい帳簿のつけ方、収入・経費の整理、青色申告の検討など、早めの準備と知識がトラブル回避の第一歩です。

当事務所では、YouTuberや動画クリエイターの方々の確定申告・税務相談・記帳代行なども多数対応しています。
動画の中のあなたも、帳簿の中のあなたも、しっかりサポートいたします。

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