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基礎控除のキソ

投稿:2025.08.25  更新日:2025.08.26

■ そもそも基礎控除って何?

こんにちは、新宿区西新宿の税理士法人阿部会計事務所の税理士阿部です。

「基礎控除」とは、確定申告の際に誰でも(一定の条件を満たせば)使える、税金が少なくなる制度です。
どれくらいお得かというと、所得から最低でも48万円が差し引かれ、その分だけ課税対象が少なくなるのです。

これはつまり、「何もしていなくても、税金がかかる所得が48万円減る」ということ。
所得税や住民税に換算すると、人によっては数万円単位での節税効果になります。


■ 令和2年から変わった!基礎控除の金額と注意点

基礎控除は、令和2年(2020年)から以下のように変更されています。

合計所得金額 控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超~2,450万円以下 32万円
2,450万円超~2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円

つまり、所得が多すぎると基礎控除は段階的に減少し、最終的にはゼロになります。


■ 所得とは?収入とは違うの?

ここでよくある質問がこちら。

「年収800万円って、所得800万円ですよね?」

答えはNO。
税務的にいう“所得”とは、収入から必要経費や各種控除を差し引いた後の金額です。

たとえば会社員なら、給与収入から給与所得控除が差し引かれて出る金額が“所得”です。
事業をしている方なら、売上から経費を引いた後の金額が“事業所得”。

つまり、収入=売上/給料、所得=儲けや手取りに近い概念です。

この違いを誤解すると、「あれ?控除使えると思ったのに対象外?」となりがちなので注意です。


■ 基礎控除は自動で適用される?

給与所得者(サラリーマン)の方は、年末調整時に会社が自動的に適用してくれるため、通常は何もする必要はありません。

一方、個人事業主やフリーランスの方は、確定申告の際に自分で計算して反映させる必要があります。
ここを忘れると、使えるはずの控除をスルーしてしまう可能性も。

つまり、基礎控除は「自動で控除される人」と「自分で操作しないと控除されない人」がいるのです。


■ 基礎控除と青色申告控除の関係に注意!

フリーランスや個人事業主の方にとっては、もう一つ大切な点があります。

青色申告特別控除(65万円)を適用するには、電子申告 or 電子帳簿保存が条件ですが、この青色申告控除と基礎控除は別物です。

たとえば…

  • 青色申告控除:最大65万円

  • 基礎控除:最大48万円

合計で113万円まで、課税所得を減らせる可能性があるのです。
しかし、基礎控除があるからといって、青色申告控除の要件をおろそかにしてはなりません。
しっかり帳簿をつけて、期限内に申告しましょう。


■ まとめ:控除は知識で得られる“合法的な得”

最後にまとめです。

  • 基礎控除は最大48万円、全納税者に与えられる節税手段

  • 所得が高いと控除額が減るので要注意(特に2,400万円超えの方)

  • サラリーマンは年末調整、個人事業主は確定申告で自力反映が必要

  • 青色申告控除と合わせれば大きな節税効果あり

確定申告はややこしく見えるかもしれませんが、知っているだけで合法的に節税できる手段がたくさんあります。
基礎控除はその第一歩です。

当事務所では、初めて確定申告をされる方へのサポート、節税のご相談も承っております。
「自分が対象になるのか分からない」という方も、まずはお気軽にご連絡ください。

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