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関税の基本|輸入ビジネスを始める前に知っておきたい基礎知識

投稿:2025.05.21  更新日:2025.05.16

海外から商品を仕入れて国内で販売する、いわゆる「輸入ビジネス」において重要となるのが関税です。
関税は、外国からの輸入品に対して課される税金で、国の財源確保や国内産業の保護を目的とする制度です。輸入コストに直結するため、事前にその仕組みを理解しておくことが大切です。


■ 関税とは何か?

関税とは、外国から商品を輸入する際に、その貨物の価格(課税価格)に対して国が課す税金です。たとえば、中国から衣料品を輸入する場合、その商品に対して一定の税率がかかり、輸入者はその税金を納める必要があります。

関税は主に以下の2つの役割を果たしています。

  1. 財政的な役割:国の税収の一部として、国家財政を支える。

  2. 経済的な役割:国内産業を保護するため、海外製品の価格競争力を調整。


■ 関税の計算方法

関税は通常、「CIF価格(商品代金+保険料+運賃)」に対して税率をかけて計算されます。
たとえば、ある商品が100万円で、関税率が10%だった場合、関税は10万円です。

さらに、関税のほかにも以下のような税金がかかることがあります:

  • 消費税:関税を含む価格に対して10%

  • その他の内国税(酒税、たばこ税など):該当する品目のみ

このため、輸入コストを正確に見積もるには、関税だけでなく総額の税負担を計算しておくことが必要です。


■ 税率は商品ごとに異なる

関税率は、**「輸入統計品目番号(HSコード)」によって分類されており、同じように見える商品でも分類が違えば税率も変わります。たとえば、Tシャツとワイシャツでは税率が異なる可能性があります。
また、特定の国との間で
自由貿易協定(FTA・EPA)**が結ばれている場合は、税率がゼロ(無税)になるケースもあります。

そのため、正確な品目分類(関税分類)と原産地証明書の有無が非常に重要になります。


■ 通関手続きと関税の納付

輸入する際は、通関手続きを行い、税関に対して申告を行う必要があります。多くの場合、通関業者(通関士)や国際物流会社が代行してくれますが、最終的な税額の確認や納付責任は輸入者にあります。
関税は、輸入許可が出たときに納付する必要があり、遅れると延滞税が課されることもあります。


■ まとめ

関税は、輸入ビジネスにおいて避けては通れない重要なコスト項目の一つです。税率や課税対象は商品によって異なるため、事前に調査・確認を行うことが成功のカギとなります。

当事務所では、貿易初心者の方や、関税負担を考慮したビジネス戦略の立案などもご支援しています。
「輸入商品の関税率を知りたい」「関税を含めた原価計算をしたい」など、お気軽にご相談ください。

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