税理士ブログ
会社設立後抑えておくべき租税公課の仕訳例と税務の勘どころ
はじめに
こんにちは!
東京都新宿区西新宿の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部です。
今回は、会社設立後に抑えておくべき租税公課のポイントを仕訳例を用いて解説します。
租税公課とは・・・
名前の通り、税金や登記簿取得手数料など国に対して手数料を支払ったときに使用する勘定科目です。
「公課」とは「国や地方公共団体が国民に課す税金」という意味をもち、
印紙代や自動車税、事業税、固定資産税、印鑑証明書の発行手数料などが含まれます。
以下、ケースごとに具体的な仕訳例を確認していきます。
具体的な仕訳の例
領収書に貼るための印紙を購入し、現金400円を支払った。
(借方) 租税公課 400 (貸方) 現金 400
印紙税は文書を作成することで享受できる経済的利益と取引の法的な安定性の確保に着目して課税される税金です。
収入印紙を貼付することによって納付することになります。
消費税については課税対象外、すなわち不課税取引になります。
自動車税58,000円を現金で納付した。
(借方) 租税公課 58,000 / (貸方) 現金 58,000
消費税については課税対象外、不課税取引となります。
固定資産税100,000円のうち分割1回目25,000円を納付した。なお、納税通知書が届いた日に経費計上することにしている。
(借方) 租税公課 100,000 / (貸方) 未払金 100,000
(借方) 未払金 25,000 / (貸方) 現金 25,000
固定資産税は毎年1月1日時点において固定資産を(登記簿謄本上)所有している人に対して課税される税金です。
総額を一括して納付することも可能ですが、第1期から第4期まで分割して納付することもできます。
4月・7月・12月・翌年2月(東京都の場合6月・9月・12月・翌年2月)がそれぞれ納期限となります。
節税の観点からは、固定資産税の納税通知書が届いた日に全額を租税公課として計上する処理がベターといえます。
所得調整とみなされないように一度採用した方法を継続して適用することが大切です。
従業員が業務中に交通違反をし、反則金38,500円を現金で支払った。
(借方) 租税公課 38,500 / (貸方) 現金 38,500
役員または従業員が、業務中に交通違反をして支払った反則金は「租税公課」勘定によって処理します。
税務上、交通反則金は経費として認められないため支払った金額は課税対象となります。
また、業務外の違反金を会社が負担したという場合はその役員または従業員に対する給与と扱われ、
役員給与については税務上の経費とは認められません。
源泉所得税の納付処理を失念したことにより、不納付加算税5,000円を現金で納付した。
(借方) 租税公課 5,000 / (貸方) 現金 5,000
過少申告加算税や延滞税などのペナルティとなる税金を納付したときは「租税公課」勘定を使用します。
しかし、ペナルティとなる税金は税務上の経費と認められないため、
会計上「租税公課」としたものを税務申告書上で否認することになります。
今年度の納付すべき消費税額40,000円が確定した。なお、税込方式を採用している。
(借方) 租税公課 40,000 / (貸方) 未払消費税 40,000
おわりに
最後までお読みくださりありがとうございます。
税金や会計でお困りのことがございましたらお問合せフォームをご利用ください。
東京都新宿区西新宿の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部でした!