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知っておきたい!相続税精算課税制度のデメリット!

投稿:2017.05.23  更新日:2021.08.17

はじめに

こんにちは!

東京都新宿区西新宿の税理士法人阿部会計事務所、税理士の阿部です。

相続税を節税するため、いろいろな節税方法を検討している人も多いでしょう。

生前贈与を賢く利用すると相続税の節税につながりやすいですが、

相続時精算課税制度も生前贈与において認められる税金控除制度の1つです。

しかし、相続時精算課税制度にはデメリットもあるため注意が必要です。

そこで今回は、相続税を節税したいなら必ず知っておきたい相続時精算課税制度のデメリットについて解説します。

1.相続時精算課税制度の概要

相続時精算課税制度とは、親や祖父母が子どもや孫などの直系卑属に対し、

財産を贈与する際に利用できる制度です。

これを使って生前贈与をすると、最大2500万円分の贈与に対する贈与税が無税となり、

それを超える部分の贈与には一律20%の贈与税が課税されます。

また、贈与された財産は、相続時に遺産に足されて、まとめて相続税が課税されることになります。

無税で多額の財産を移転できるメリットがあるため、相続税の節税対策に用いられることも多いです。

2.相続税の課税対象になり、損になるおそれもある

それでは、相続時精算課税制度にどのようなデメリットがあるのか、見てみましょう。

まずは、相続税の課税対象になる問題があります。

相続時精算課税制度では、2500万円までの贈与分にかかる贈与税が無税になりますが、

その分については、相続時に遺産に加算されて相続税が課税されます。完全に無税になるわけではありません。

さらに、課税時に贈与財産の評価は贈与時の時価で評価されるので、

贈与時から相続時までに財産の時価が下がった場合には、損になってしまいます。

3.節税につながらないおそれ

相続時精算課税制度を使っても、節税につながらないおそれがあります。

いったん贈与税を0にしてもらっても、相続時に通算して相続税を課税されるため、

結局多くの財産があったら相続税がかかってしまうためです。

そこで、多額の資産があって効果的に相続税を節税したいときには、

この制度を利用するメリットが小さいことがあります。

4.面倒な申告が必要になる

相続時精算課税制度を利用したい場合には、最初に贈与をした年の翌年21日~315日までの間に、

「相続時精算課税制度選択届出書」という書類を添えて贈与税の申告をしなければなりません。

通常の贈与税の申告とは異なる書類が必要な上、制度の適用によって贈与税が発生しないケースでも、申告が必要です。

5.暦年贈与を使えなくなる

相続時精算課税制度を利用するときには、この制度を利用する届出書を提出しますが、

これにより、通常の贈与税の基礎控除である暦年贈与(毎年110万円までに対する贈与税の控除)は使えなくなります。

「やっぱり暦年贈与の方がよかった」と思っても、後から撤回したり、

暦年贈与に戻してもらったりすることはできないので、注意が必要です。

おわりに

以上のように、相続時精算課税制度は、一見節税につながりそうですが、

気をつけなければならないデメリットも多いです。

暦年贈与か相続時精算制度かのどちらを選ぶか迷ったら、税理士に相談することをおすすめします。

最後までお読みくださりありがとうございます。

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