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固定資産税は“毎年かかる家賃みたいな税金”――でも、知らないと損します。

投稿:2026.07.20  更新日:2026.04.29

はじめに

こんにちは、新宿区西新宿の税理士法人阿部会計事務所の税理士阿部です。

固定資産税は、会社でも個人でも「毎年、ほぼ確実に発生する税金」です。

にもかかわらず、内容が“毎年同じに見える”せいで、つい確認を後回しにしがち。

ところが実務では、評価(課税標準)や特例の適用、課税対象の漏れ・過大評価などで、

金額が変わったり、見直し余地があったりします。

さらに都市計画税がかかる地域もあり、「固定資産税だけだと思ってた…」となることも。

この記事では、①固定資産税の概要、②住宅用地の特例・新築住宅の減額、

③都市計画税、④納付の時期と方法を、初めての方にも分かるように整理します。


① 固定資産税の概要

〜土地・家屋・償却資産にかかる“保有しているだけ税”〜

1) 固定資産税って何にかかる?

固定資産税は、原則として毎年1月1日(賦課期日)時点で、次の固定資産を所有している人に課されます。

  • 土地(宅地、田畑、雑種地など)
  • 家屋(建物:住宅、店舗、倉庫など)
  • 償却資産(事業用の機械・工具・備品など ※事業者のみ)

「固定資産税=家や土地」と思われがちですが、事業者にとって要注意なのが償却資産です。

店舗のエアコン、厨房設備、工場機械、パソコン、看板、内装設備の一部など、

“建物じゃないけど事業に使う資産”が対象になることがあります。

2) 税額はどう決まる?ざっくりの仕組み

固定資産税は、ざっくり言うと

評価額(課税標準) × 税率

で決まります。税率は自治体条例で定められますが、一般に標準税率は 1.4% が目安です

(自治体により異なる場合があります)。

ここで大事なのは、「購入金額」ではなく評価額が基準になる点です。

固定資産税の通知書には、土地・家屋の評価額や課税標準額が載っているので、

毎年“眺めるだけ”で終わらせず、変化がないかチェックしておくと良いです。

3) 評価替え(3年ごとの見直し)と“じわじわ増える”現象

土地・家屋の評価は、原則として一定期間ごとに見直し(評価替え)があります。

一般的には3年ごとに評価替えが行われますが、そこまでの間も、

  • 地価の動き
  • 新築・増築
  • 用途変更
    などで課税標準が変動することがあります。

「去年と同じだろう」と油断していると、増築や用途変更が反映されて税額が上がっているケースもあります。

4) 事業者要注意:償却資産の申告

償却資産は、土地や家屋と違い、事業者が申告するのが原則です。

毎年1月末頃までに申告(自治体により期限は異なる場合があります)し、課税されます。

ここでありがちな注意点は次のとおりです。

  • 申告漏れ(後で遡って課税される可能性)
  • 二重計上(リース・中古・廃棄済みなのに残っている等)
  • 修繕費か資本的支出かの判断ミス(設備として計上されるか)

なお、償却資産には、一定の免税点(例:課税標準の合計が一定額未満は課税されない等)があります。

代表的には150万円が一つの目安として知られていますが、

実務では自治体の案内・申告書様式に沿って確認しましょう。


② 住宅用地の特例、新築住宅に対する減額

〜「住宅」は固定資産税の“優遇枠”が多い〜

固定資産税は、住宅関連に特例(軽減)が設けられていることが多いのが特徴です。

ここを押さえるだけで、税額の理解が一気に進みます。

1) 住宅用地の特例:土地の税額が軽くなる

住宅が建っている土地(住宅用地)には、固定資産税の課税標準が軽減される特例があります。

ざっくり言うと、住宅があるだけで土地の固定資産税が下がる仕組みです。

ポイントは「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」に分かれること。面積要件に応じて軽減の度合いが変わります。
※正確な適用は土地の面積や用途、自治体の判定によるため、通知書の課税標準欄や自治体資料で確認しましょう。

要注意:住宅を取り壊すと税額が上がることがある

住宅用地の特例は「住宅がある」ことが前提です。

取り壊して更地になると、この特例が外れて土地の固定資産税が上がることがあります。

相続後に空き家を解体するケースなどは、解体後の税額変動を事前に把握しておくのが安全です。

2) 新築住宅の減額:家屋の固定資産税が一定期間軽減

新築住宅については、家屋の固定資産税が一定期間軽減される制度があります

(一般住宅・長期優良住宅等で期間や要件が異なる場合があります)。

「新築の数年間は固定資産税が少し軽い」ことがあるのは、この制度によるものです。

ただし、軽減を受けるには

  • 住宅の床面積などの要件
  • 届出や自治体での確認
    が必要なケースがあります。引渡し後に自治体から案内が来ることも多いですが、念のため「軽減が適用されているか」は通知書で確認するのがおすすめです。

3) リフォーム(改修)で軽減がある場合も

一定のリフォーム(耐震、バリアフリー、省エネ等)で軽減が受けられる制度が用意されている場合もあります。

工事内容や時期で要件が細かいので、リフォームを予定している方は、

「工事前に」自治体や専門家に確認すると、取りこぼしが減ります。


③ 都市計画税

〜“固定資産税+もう1つ”がかかる地域があります〜

都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業などの費用に充てる目的で、

市街化区域内の土地・家屋に課される税金です。

固定資産税とセットで請求されることが多く、通知書にも併記されます。

1) 課税されるのは「市街化区域」が中心

都市計画税は、どこでもかかるわけではありません。

都市計画区域のうち、主に市街化区域の土地・家屋が対象になるのが一般的です。

「うちは都市計画税がない」という方もいますが、引っ越しや不動産購入で区域が変わると、

急に増えることがあります。

2) 税率は上限があり、自治体により異なる

都市計画税の税率は自治体が定めますが、一般に上限は 0.3% とされることが多いです(自治体で異なる場合があります)。

固定資産税(標準1.4%)に比べると小さく見えますが、

土地・建物の評価額が大きいと「じわっと効く」税金です。

3) 住宅用地の軽減がある点は固定資産税と似ている

都市計画税にも、住宅用地の軽減が設けられている場合があります。

固定資産税と同様、「住宅がある土地は軽くなる」構造になっていることが多いので、

通知書の課税標準欄を見て、軽減が適用されているかチェックすると安心です。


④ 納付の時期と方法

〜“いつ・どう払うか”を押さえると、資金繰りがラクになる〜

1) 納付時期:年4回が多い(自治体によって異なる)

固定資産税(+都市計画税)は、一般的に年4回の納期(分割)で納める自治体が多いです。

納付書が届く時期は自治体により異なりますが、多くは春〜初夏にかけて届き、

「第1期〜第4期」の納期限が記載されています。

一括納付できる場合もあります。資金に余裕があれば管理が楽ですが、

無理に一括にして手元資金が薄くなるより、分割の方が安全なこともあります。会社経営ならなおさらです。

2) 納付方法:現金だけじゃない

最近は納付方法も広がっています。自治体によりますが、次のような方法が用意されていることが多いです。

  • 金融機関・コンビニで納付
  • 口座振替
  • スマホ決済(QR)
  • クレジットカード(手数料がかかる場合あり)

おすすめは口座振替です。納付忘れが減り、延滞金リスクの回避にもつながります。

ただし、口座振替の申込期限があるため、早めに手続きを。

3) 納付が遅れるとどうなる?

納期限を過ぎると、督促や延滞金が発生する可能性があります。

固定資産税は「うっかり忘れ」による遅れが多い税金なので、納付書が届いたらまず

  • 納期限
  • 金額
  • 支払方法
    をカレンダーに入れておくのが最も確実です。

まとめ:固定資産税は“毎年払う”からこそ、毎年チェックが効く

固定資産税のポイントは、次の4つです。

  1. 土地・家屋・償却資産に課税される(事業者は償却資産の申告に注意)
  2. 住宅用地の特例や新築減額がある(更地化で税額が上がることも)
  3. 都市計画税がかかる地域がある(市街化区域など)
  4. 納付は年4回が多い(方法も多様。口座振替が便利)

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