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人件費が上昇したときに使いたい節税法~所得拡大促進税制の使い方②~

投稿:2017.07.20  更新日:2021.08.17

はじめに

こんにちは!

東京都新宿区西新宿の税理士法人阿部会計事務所の税理士阿部です。

今回は人件費が上昇したときに是非使いたい節税法のひとつ、

所得拡大促進税制の控除額についてお話したいと思います。

大企業と中小企業で取り扱いが若干異なるところがありますが、

便宜上、中小企業(資本金1億円以下の会社)に絞ってご説明していきます。

税額控除できる金額の計算方法

人件費が上昇したときに使いたい節税法~所得拡大促進税制の使い方①~でご説明した要件を満たすと、

本来納付すべき税金から一定の金額を控除できるメリットを受けることができます。

一定の金額はどのように計算するかですが、

(適用事業年度の雇用者給与等支給額 - 基準雇用者給与等支給額) × 10%

で計算した金額を法人税額から控除することができます。

まず、適用年度の雇用者給与等支給額ですが、

本年度の対象となる給与総額を指します。

そして、基準雇用者給与等支給額とは、

基準年度(ex.平成24年4月1日~平成25年3月31日)で支給した、

対象となる給与総額を指します。

すなわち、基準年度から増額した給与支給額の10%を税額から差し引けるということです。

ただし、法人税額から控除できる金額は、

法人税額の20%までという制限があります。

そのため、メリットを受ける前の法人税額が少ない場合などは注意が必要です。

平成29年税制改正で中小企業にはさらに有利に!

基準年度から増加した給与の金額の10%を控除できることは上述しましたが、

今回の平成29年度税制改正では、

中小企業にはさらに有利となる内容で改正がされました。

具体的な内容は、

『比較平均給与等支給額が2%以上の場合、

控除額が従前の雇用者給与等支給増加額の10%に、

さらに、

比較給与等増加額の12%を上乗せして控除できる。』

という項目が加わりました。

まず、比較平均給与等支給額が2%以上が要件となっていますが、

これは、前年の一人当たり平均給与の金額に比べ、

今年の一人当たり平均給与の金額が2%以上増加したことを意味します。

そもそもこの規定の適用要件で、

平均給与等支給額 > 比較平均給与等支給額

が設けられていますが、この増加割合が2%以上となると、

さらなる優遇が受けられることになりました。

上乗せされた優遇措置は次のように計算します。

比較給与等増加額 × 12%

比較給与等増加額とは、前年から増えた対象給与の金額となります。

すなわち、前年と比べて増えた部分の金額に12%を乗じた金額を、

さらに上乗せして控除することができます。

そのため、前年から増加した部分については、

従前の10%に、この12%を併せて、

22%の税額を控除することが出来るようになりました。

給与支給額が前年より増えているような会社では、

決算対策でこの適用を受けることを検討いただくと、

節税に繋がる可能性が高いと言えます。

おわりに

最後までお読みくださりありがとうございます。

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