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ご先祖も気になる!? お盆に気をつけたい税金の話

投稿:2025.08.04  更新日:2025.05.29

こんにちは。新宿区の税理士阿部です。

夏が本格化し、お盆の帰省やお墓参りの予定を立てている方も多いのではないでしょうか。
お盆といえば、ご先祖を迎え入れる大切な行事ですが、

今回は、お盆時期に起こりがちな税務上の注意点を解説していきます。


■ お盆に納期限がかぶる!? 税務カレンダーの落とし穴

お盆は多くの企業や役所が夏季休業を取る時期ですが、税金の「納期限」は原則として法律通りに動きます。

たとえば、次のような税目が8月中旬に納期限を迎えることがあります:

  • 源泉所得税の納付(特例納付は7月分が8月10日頃)

  • 消費税の中間申告(7月決算法人の場合)

  • 法人税・法人住民税・事業税の中間申告

  • 固定資産税・償却資産税(自治体によっては第2期が8月)

この時期、税務署は基本的に通常営業していますが、金融機関や税理士事務所、顧問先が一斉に休みに入っているという“地味な地獄”が発生しがちです。


■ e-Taxの活用が吉! でも油断は禁物

お盆にかぶる納期限をクリアする方法の一つは、e-Taxを活用した電子申告・電子納税です。
国税の申告や納税は、24時間365日利用可能。つまり、お盆中でもスマホやパソコンで手続きが可能です。

ただし、次のような注意点があります:

  • 銀行引落し(ダイレクト納付)は「金融機関の営業日」に準拠

  • インターネットバンキング納付でも、当日15時以降は翌営業日扱いになる可能性あり

  • システムメンテナンスがちょうどお盆期間に実施される場合もある


■ お盆の出費と税務上の取り扱い

お盆は出費の多い時期です。帰省交通費、お供え、仏壇用品など…さまざまな支出が重なります。

「これって経費にならないんですか?」と聞かれることもありますが、原則、個人的支出(家事費)となり、経費にはなりません。

たとえば:

  • 帰省時のガソリン代や新幹線代 → ✕ 経費不可

  • 仏壇の購入やお布施 → ✕ 経費不可

  • 実家のWi-Fi使用料 → ✕ 経費不可

ただし、例外的に業務目的が明確な支出であれば経費として認められることもあります。
たとえば、「お盆中に遠方の取引先に訪問して打ち合わせをした」など、業務の証拠があれば、一部旅費交通費として認められる可能性も。


■ 贈与と相続の“自然発生”に注意?

お盆中は、家族が集まり「そろそろ相続のこと考えないとね…」なんて会話が出てくる時期でもあります。

このタイミングで以下のようなことがあると、税務上の贈与・相続に該当する可能性があります:

  • 孫にまとまったお小遣い(110万円超)を渡す

  • 親から高額な資産の名義を突然変更された

  • 帰省中に「家を将来お前にやる」と約束される(※契約成立注意)

こうした場合、思わぬところで贈与税の対象になってしまうこともあるため、「気持ち」だけで済ませず、記録と税務判断を忘れずに。


■ まとめ

お盆という家族と向き合う時期こそ、税務も立ち止まって考えるタイミングかもしれません。

  • お盆中でも税務署と税金は“平常営業”

  • e-Taxやダイレクト納付を上手に活用しよう

  • 出費の多い時期こそ、経費と家計の区分を明確に

  • 思わぬ贈与や資産移転に注意

「ご先祖様もきっと“しっかり申告してくれ”と見守ってくれている」――
そう思えば、面倒な税務も少しだけ心が軽くなるかもしれません。

当事務所では、法人・個人を問わず、季節を問わず、熱中症に気をつけながら税務相談を承っております。
夏の夜長に、ちょっとした税務の見直し、してみませんか?

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