税理士ブログ
延滞税とは?|納付が遅れたときにかかるペナルティとその計算方法
税金には「納付期限」があり、この期限を過ぎて税金を納めた場合には、「延滞税(えんたいぜい)」というペナルティが課されます。
延滞税は、本来の税金に上乗せされて課される利息のようなもので、納付の遅れが長引くほど金額も大きくなります。
今回は、延滞税の基本的な仕組みと、令和6年現在の延滞税率についてご説明します。
■ 延滞税とは?
延滞税とは、所得税・法人税・消費税などの国税を期限までに納めなかった場合に発生する税金です。これはいわば「遅延利息」のようなもので、納期限から納付日までの日数に応じて計算されます。
延滞税は、自主的に納付が遅れた場合だけでなく、税務調査などで追加の税額が確定し、それを期限後に納付する場合にも課されます。
■ 延滞税の税率(令和6年分)
延滞税の税率は、納付の遅れた期間に応じて2段階で設定されています。
◎ 納期限の翌日から2か月以内
年 7.3% または 特例基準割合+1% のいずれか低い方(※令和6年は 2.5%)
◎ 納期限の翌日から2か月超
年 14.6% または 特例基準割合+7.3% のいずれか低い方(※令和6年は 8.8%)
※「特例基準割合」は、国税庁が毎年見直して公表する基準金利で、令和6年は1.5%です。
■ 延滞税の計算方法(例)
例えば、法人税100万円の納付が60日遅れた場合、次のように延滞税が発生します(年率2.5%と仮定)。
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計算式:100万円 × 2.5% ×(60日 ÷ 365日)
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延滞税:約 4,100円
2か月(61日)を超えると税率が上がるため、同じ100万円でも90日遅れると延滞税は約 10,900円 に増加します。
■ 延滞税が発生する主なケース
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税務申告後に納税を失念していた
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資金繰りの都合で期限内納付が困難だった
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税務調査で過去の申告漏れが判明し、修正申告した
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予定納税の額が過少だった
延滞税は、自動的に計算・加算されるため、「知らなかった」では済まされません。
■ 延滞税を防ぐために
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納付期限を把握しておく(特に申告期限と同日)
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資金繰りを見越した納税計画を立てる
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税理士に早めに相談し、延納や分割納付の制度を活用する
■ まとめ
延滞税は、納税が遅れた際に自動的に課される「ペナルティ税」です。利息のように日々増加するため、早期の対応が何より重要です。特に2か月を超えると税率が大きく跳ね上がるため、注意が必要です。
当事務所では、延滞税を含めた納税額のシミュレーションや、資金繰りに応じた納税相談、延納申請のサポートも行っています。お気軽にご相談ください。