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宗教法人の税制特典「寄附金」について

投稿:2018.04.17  更新日:2021.08.17

はじめに

東京都新宿区西新宿の税理士法人阿部会計事務所の税理士の阿部です。

今回は、宗教法人の税制特典のひとつ、

寄附金について書きたいと思います。

宗教法人の税務の前提となる考え方

はじめに、前提として、

宗教法人の本来の宗教活動によって生じた収益は非課税、

つまり、法人税などの税金はかかりません。

しかし、自動販売機収入があったり、

駐車場収入がある場合には、

他の株式会社などと同様、法人税などの税金がかかります。

宗教法人の税務では、

本来の宗教活動を「非収益事業」

税金がかかる事業を「収益事業」などと呼んでいきます。

収益事業は申告手続きが必要

宗教法人が収益事業を行ったときは、

決算終了後2か月以内に申告書を作成して、

その申告書に記載した税金を納めなければなりません。

ここで、ぜひおさえていただきたい税制メリットととして、

「収益事業から非収益事業への寄附金」というものが設けられています。

イメージとしては、

「収益事業」での儲けを「非収益事業」へ一部移すといったところです。

その移した金額は、収益事業の所得の計算上、

損金として計上できます。

すなわち、所得が減額されるため納税額を抑える効果があります。

どのくらい移すことができるか

ここでは具体的な算式をみていきたいと思います。

下記の算式で計算した金額が、

寄附金として支出できる限度額ということになります。

この限度額を超えた部分は費用として認められません。

まず、一般の株式会社のケースでは次の通りです。

損金算入限度額=

(資本金等の額 × 12/12 × 2.5/1,000 + 所得額 × 2.5/1,00) × 1/4

算式だけだとわかりにくいので、

次の数字を当てはめてみると、

資本金等の額 = 3,000,000

所得額 = 1,000,000

(3,000,000 × 12/12  × 2.5/1,000 + 1,000,000 × 2.5/100) × 1/4

こちらで計算すると限度額は8,125と計算されます。

所得が100万円に対して0.8%のみが認められる計算になります。

これに対し宗教法人はシンプルです。

損金算入限度額= 所得金額 × 20%

非常にシンプルでわかりやすいです。

所得が100万円であれば20万円が限度額です。

すなわち、収益事業の20%は非課税とされているのです。

ただし、このメリット受けるためには、

収益事業と非収益事業を分けて経理するなど、

収益事業の収支をしっかりと把握しておく必要があります。

収益事業の申告書を作成するときは、

ぜひ知っておきたいメリットのひとつです。

おわりに

最後までお読みくださりありがとうございます。

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